Neurology

脳神経科について

  • 脳神経科では主に脳や脊髄、末梢神経の評価をします。ていねいな問診や神経学的検査、血液検査、レントゲン検査など組み合わせて診断を行いますが、必要な場合にはCTやMRI、脳波検査まで行える施設を紹介します。
  • こんな症状があったら注意!
    • 意識が無くなり全身発作を起こした
    • 1点を見つめて動かない
    • 顔の筋肉が下がっている
    • 腰が痛そう
    • 足が動かない
    • 首の裏を一生懸命掻いている
    • 目の瞳孔が左右不対称

主な脳神経の病気

  • てんかん

    てんかんは脳の電気的な異常であり、異常が起こっていない時は全く普通の生活を送っていますので、初めて飼い主さんが症状を目撃した際には突然起こった症状の激しさに、そのまま死んでしまうのではないかと錯覚するほどショックを受けます。
    基本的には1~3分程度で収まりますので、呼吸が止まるんじゃないかと心配して慌てて口の中に手を入れてベロを引っ張ったり、何かを噛ませたりせずに時間を測定しながら静観して大丈夫です。
    発作や発作前の異常な様子を動画で撮影しておくと診断にとても役に立ちます。

  • 脳炎

    脳炎は脳に発生する炎症性疾患全体の事です。脳の表面には髄膜という部分がありますが、ここで炎症が起これば髄膜脳炎と呼びます。脳炎には感染症から起こるものと、非感染性のもの、脳の疾患に由来する二次性のものがあります。犬であれば非感染性の脳炎が多く見られますが、猫の場合は感染性の脳炎が多い傾向があります。
    脳炎の治療は感染性なのか非感染性なのかで方向が大きく変わるので、まずはしっかりと診断を行い、動物の種類や年齢、症状などを踏まえて治療に臨む必要があります。

  • 脳腫瘍

    犬や猫は年齢が上がるとともに脳腫瘍のリスクも高まります。早期に発見すれば治療もしやすいですが、実際には早期発見は困難な場合が多いです。犬であればてんかんの発作をきっかけとして見つける例がありますが、猫は具体的な症状が無いことが多く、発見されにくい現状があります。脳腫瘍の可能性がある場合、まずは画像による検査を行います。脳腫瘍と診断したのちは、年齢や状態を踏まえて治療方針を慎重に検討していきます。

  • キアリ様奇形

    キアリ様奇形は偽小脳ヘルニアとも呼ばれます。後頭部を掻くしぐさや、触ると痛がる症状が見られます。また、四肢が麻痺して立てなくなったり、ふらつきや痙攣がでたりする例もあります。まだ原因は詳しく分かっておらず、治療は薬剤を使う場合や外科的手術を行う場合もあります。首の後ろを気にしている、歩き方がおかしいなどの症状があれば、早めに受診してください。