Animal case

脱毛と地肌が黒くなってしまった秋田犬

【脱毛と地肌が黒くなってしまった秋田犬】

2年ほど前から毛が抜け始めてしまった秋田犬の女の子。

さまざま検査したけど原因が分からないとのことでセカンドオピニオンで来院されました。

陰部をしきりに舐めるのでカラーがされていました。

 

問診から状況を確認すると、首周り、モモ裏、背中などが左右対称性に抜け落ちており

皮膚の色も真っ黒に色素が付いており、

痒みはなく、ふけなどもそんなに多くない状況でした。

元気や食欲はある様子でした。

  

 

以前の病院の検査では甲状腺やコルチゾールなどのホルモン検査も行われていましたが

異常がないとのことでした。

皮膚の温度が冷たく血流が悪い印象もありましたが心臓の異常もなさそうです。

 

以上、脱毛・皮膚の整理をすると

痒みがない』、『左右対称生の脱毛』、『感染兆候なし』、『色素沈着を伴う』脱毛になります。

このことから、ホルモン関連性の脱毛が疑われました。

特に、避妊手術をしておらず、陰部がかなり腫大しており、白濁とした分泌物が出て

しきりに舐めていたので

性ホルモン関連性の脱毛が疑われました。

そこで、腹部のエコーを当ててみると軽度に発達した子宮と卵巣が認められました。

飼い主様と相談して後日、避妊手術を行いました。

手術では子宮の発達が認められましたが特に問題なく終わり、術後もとても元気に過ごして

帰宅しました。

術後1週間で抜糸を行い、数ヶ月経過追うこととしました。

術後1ヶ月半程度で陰部も徐々に小さくなり、皮膚の色素沈着が落ち着き始め、

そこから、すぐに、一気に!!フサフサになりました。

 

  

眠っていた毛根が一気に目覚め、数年ぶりに以前の姿に戻ることができました。

ちょうど4月ごろだったので『春の芽吹き』と、飼い主さんと共に喜び合いました。

毛が生えて良かったね!

毛がなくても可愛かったけれど、一層可愛くなりました。

ご家族が信頼してくれて手術を決断してくれて良かったです。

 

まとめ

痒みを伴わない、左右対称性の脱毛はホルモン関連性脱毛が疑われる

性ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、その他などが考えられている

原因治療を行う事で毛根が目覚め、発毛するが数ヶ月かかる事もあるので気長に待つ

痒みがある場合はアトピーやアレルギー、感染などを疑い、それに基づいた治療を行う