Animal case

犬の去勢手術

永福あにまるクリニックです。

去勢手術の抜糸を終えた早雲くん😺

術後すぐから元気いっぱいでしたがこの日もとっても元気❗️

傷を舐めない様にカラーも頑張ったから、カラーから解放されてこの笑顔🤗

傷も小さくキレイに終わって良かったね😆

去勢手術をするなんて可哀想、と思われる方もいるかもしれません。
ですが、去勢手術を勧める理由はいくつかあります。
当院では若く健康なうちの6ヶ月齢から1歳くらいでの去勢手術をオススメしています。

1:不慮の事故による繁殖を防ぐ🐶
万が一脱走してしまった場合や、ドッグランなどで目を離した隙に雌犬を妊娠させてしまう恐れがあります。
雌犬に出産のリスクを負わせたり、生まれる子犬を飼ってくれる人を探さなければなりません。
引き取り手が見つからない場合には責任を持って最後まで飼育しましょう。

2:攻撃性が低下して穏やかになる傾向🐕
去勢をすることで男性ホルモンが低下し、性格が穏やかになる傾向にあります。怒りっぽいと他人をケガをさせたり、スキンシップも取れなくなってしまう場合もあります。噛み付いた衝撃で下顎の骨が折れちゃった犬もいました…。

3:ヒトの成人男性病のような男性ホルモンに起因する病気の予防🦮
去勢手術をすることが治療になりますがこれらの病気が出る頃の多くが中齢から高齢のことが多いので、心臓病や腎臓病などのその他の麻酔リスクを抱えた状態での手術になってしまいます。
若いうちに去勢手術を行うことでこれらの病気の発生を予防します。
*前立腺過形成:男性ホルモンに反応して前立腺が肥大してしまう状態です。ひどくなると尿道や結腸を圧迫して排尿・排便障害を起こしたり、内部で感染を起こして膿瘍を形成することもあります
*肛門周囲腺腫:肛門周囲や尻尾、臀部などにブヨブヨとした腫瘤を作り、破裂や感染を起こします。頭に発生することもあります。
*会陰ヘルニア:お尻周りの筋肉が薄くなり、排便時のいきんだ際に筋肉と筋肉の隙間から腸や膀胱が皮膚の下に脱出してしまう病気です。前立腺過形成や肥満などで排便障害があり、力み過ぎることが発生リスクを増加させます。筋肉に挟まれて腸や尿道が嵌頓を起こすと生命に関わる危険な状況に陥ってしまいます。去勢手術と同時にお尻周りの筋肉の隙間をメッシュを使って埋める手術が必要になります。嵌頓して腸が壊死してしまっている場合には悪い腸を切除して、改めて腸を吻合する必要があります。手術時間も長く、お尻周りの手術ため感染も起こり易いので慎重な経過観察が必要になります。

4:精巣腫瘍を予防する🐩
精巣腫瘍は特に腹腔内陰睾の場合に発生率が高くなるので、精巣下降していない場合には積極的に切除が必要になる。

他にも男性ホルモン過剰による脱毛が疑われる場合にも去勢手術が有効な場合があります。

このように、去勢手術はたくさんの病気の予防に繋がりますので、是非検討してみてください。
当院では血管シーリング装置を使用することでお腹の中に糸を残さない手術を行っていますので糸(異物)に対する副作用にも安心です。
犬以外にも猫やウサギさんなどでも可能です。
何かご心配なことがあればご相談ください☺️